旧 「麺プレ」 から数えること、今回でめでたく600店目になります。まぁ、朝昼おやつ夕夜食と1日全部ラーメンしか食わない人からすれば、 「こんなの大した記録じゃない」 と言われるでしょうけど、私はラーメンが全てじゃないし、カレーを食いたいと思うこともあれば、回転寿司に行こうと思う日もあります。その日は酒を呑むから、ラーメンは食わないと思う日もあるし、朝からラーメンは食いません (因みに今朝の朝食は昨夜の残りの焼きうどんだった) 。というわけで、10年以上かけてやっと600店目なんです。これからもそのスタンスでいきますし、真面目に話せば、朝昼おやつ夕夜食と1日全部ラーメンだったら、体に良くありません。ヘタすれば早世するだけです。
さて、そんなのらりくらりとした 「麺プレ」 の節目になる店は、ラーメン通の間で注目されている有名店に行ってみようという図式が成り立ちつつあります。100軒目が淡路町の 「栄屋ミルクホール」 、200軒目が九段下の 「九段斑鳩」 、300軒目が市ヶ谷の 「くるり」 、500軒目が 「アイバンラーメン」 と、それなりに知られた店に行きました (400軒目はそれほど有名じゃなかった) 。いずれも東京でしたが、600軒目は予てより行ってみようと思っていた埼玉県の有名店に足を運んでみました。
さて、600軒目は何処に行ったのでしょう・・・。
行った店・・・・・・麺屋うえだ場所・・・・・・・・・新座市東北2丁目 (新座中央通り沿い~ 「東北2丁目」 バス停の前)食ったもの・・・・焦がし醤油らーめん (チャーシュー、煮玉子、のりをトッピング)ご飯を付けて ¥1,400-
スープ・・・○
「麺プレ」 としては初めて、新座市に乗り込んできました。
新座の超有名店といえば、塩ラーメンの 「ぜんや」 がまず真っ先に思い浮かびますが、今回は 「ぜんや」 ではありません。随分前にテレビで放映していたのがきっかけで、 「美味そうだな」 と思い込んだ次第です。
この 「うえだ」 はまず、名物おばちゃんが取り仕切る店として、そしてその製法が話題となって、今や、前述の 「ぜんや」 とともに “新座二大行列の出来るラーメン店” にまで成長しました。
東京から国道257号線、いわゆる 「川越街道」 を北上して、 「野火止」 という交差点を右折、志木方面に進みます。この辺りは晩秋から初冬にかけて訪れるのが最高に良いですね。右往左往しながらようやく店を発見しますが、お昼時にもかかわらず、行列は思ったほど長くはありませんでした。店の中でも少し待ちましたが、すぐに座れました。待っている間、例のおばちゃんを探しますが、見当たりません。せっせと動いているのは男性スタッフだけ。おばちゃんは休憩中なのか、土曜日は仕事をしないのか、はたまた別の理由なのかは定かではありませんが、ここに来る理由の一つにそのおばちゃんの姿を見ることにあるという方も少なくないかと思います。しかし、最後までおばちゃんは姿を見せることはありませんでした。今回二回目の拍子抜け。
メニューは様々ありますが、この 「うえだ」 を有名にしたのは確か、 「焦がしラーメン」 じゃなかったかと記憶しています。味噌をイメージしていたのですが、基幹となるのは醤油の方みたい。というわけで、今回は基幹メニューである 「焦がし醤油らーめん」 をオーダーすることに。オーダーを受ける際、 「塩にしますか? 豚骨にしますか?」 と聞かれました。一瞬、 「・・・?」 と口をあんぐりとさせますが、おそらくベースになるダシのことを聞いているのだと解釈しました。だから 「塩で・・」 と言ったのですが、果たして正解だったのかどうか・・・。
待っている間に注文を聞かれ、程なく座れて、ラーメン自体もそんなに待つことなく運ばれてきました。
それでは600回目の (厳密に言うと、それは600回もやってないんですけどね) ・・・
始めの一口ぃ~
う~ん・・・どうなんだろう・・・? イメージと違うな・・・。
そうだ、有名にした “製法” をお伝えしてなかったですね。
“焦がし” というように、 「うえだ」 では、2本のバーナーで炎をブッ放し、 「スープを焼く」 というか、 「スープを焦がす」 という工程があります。そうすると器がみるみるうちに炎に包まれ、まさに 「バーニング・ハート」 状態。札幌の有名店 「炎神」 では火炎放射器を使っていますが、バーナーもまた、過激っちゃあ過激。テレビで観た時は作っているおばちゃんの姿もまた、アクロバティック。
焦がすということは、味も香味深くなるんだろうなと期待に胸を膨らませていたのですが、どんなに啜っても香ばしい漂いは鼻と舌に伝わってきませんでした。それと、オーダー時に 「塩で・・」 と注文したのは良いんですが、塩らしい味したかな・・・? 塩と醤油をコラボさせたって、ただしょっぱくなるだけじゃないかと食っている最中から後悔の念に駆られました。
期待を大きく裏切るスープだったのは否めません。
麺・・・△
訪問前、ネットでも調べてみたのですが、麺の見た目は太麺っぽかったんです。他のラーメンは太麺だったのかも知れませんが、この 「焦がし醤油らーめん」 はそんなに太くはなく、所謂 “中細麺” というやつ。細くもなく太くもなく、中肉中背的な麺でした。
オーダー時、 「 “麺固め” って出来ますか?」 とのオーダーに、 「あまりお薦めしていませんが、それでも良いですか?」 という回答が返ってきたので、 「お願いします」 と懇願する私。
しかし、実際に食ってみれば、まるっきり全然固くなく、 「普通に茹でたな」 とバレバレ。この手の太さだったら、 「固め」 で茹でればかなり良い感じになるだろうに、ここではそういう教育はしていなさそう。まぁ、作法・製法の方針というか、店ならではの拘りもあるでしょうから、それ以上は文句は言えませんが、 「麺プレ」 的にはちょっと 「ダメよダメダメ」 な茹で加減でした。
チャーシュー・・・◎
「ぜぇ~ぴぃ~んっ!」 と叫べるレベルではありませんが、脂身に感動しました。勿論、肉の部分も良い感じな柔らかさでしたよ。 「トライデント・シュガーレスガム」 のCMではありませんが、 「ママもこれならOKさ」 と評して良いでしょうね。
玉子・・・△
メニューには 「煮玉子」 としか記載されておらず、 「味付け・・」 とはどこにも書かれていなかったのでやむを得ないのですが、無味無臭の味気ない玉子でした。熟し加減はギリギリ合格ラインかなという気がしないでもないのですが、これで多少なりとも黄身に味がついていれば、 “◎” 評価でも良かったんじゃないかなと思える玉子でした。
総合評価:B3
店内には某ラーメンヲタの色紙が、汚ったない字の色紙がデカデカと貼ってありましたが、よく私は 「評論家の薦めるラーメンはアテにしない方が良い」 と人に論じています。味覚なんて十人十色。それぞれの中で 「美味い」 と思うラーメンが美味いのですからして、評論家は 「オレの言うことが全て正しい」 と何か勘違いをしているではないかと時折思ったりします。 「参考にするのは良いけど、鵜呑みにすると手痛いしっぺ返しが来るよ」 と付け加えますが、今回もその典型例ですね。花粉症で鼻づまりのまま食ったせいなのか、おばちゃんが作ったものでないと美味くないのかは定かではありませんが、 「美味いっ!」 とは思いませんでした。有名になり過ぎちゃって、スタッフを雇わざるを得なくなったのでしょうが、この店ではないけど、何処ぞの有名店で 「作り手もスタッフに一任したから、味が落ちた」 という声をたまに耳にします。皆さんは、これを鵜呑みにせず、自らの舌で美味い店を探してみて下さい。
No.601以降も宜しくお願いいたします。