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Channel: Club SKRAM ~もはねの小部屋~
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スープラの前身モデル、セリカXX

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これ、昨年暮れに東京駅で撮らせてもらったのですが、感動しました。
ただでさえ、見る機会も殆ど無い昨今、殆どノーマルを堅持しているという点で 「素晴らしいっ!」 としか言いようがありませんし、登場から30年以上が経過しているにも関わらず、ボディがもの凄く綺麗であったことも称賛に値します。
 
トヨタを代表するスペシャリティカー、セリカの派生モデルとして1978年に登場したのが 「XX (ダブルエックス) 」 は、本流のセリカが4気筒エンジンを搭載していたのに対し、XXは6気筒エンジンを搭載しました。これは日産のフェアレディ・Zに対抗するために北米のディーラーから求められたものに対する処置で、1977年の東京モーターショーに出品、翌年に発売されました。
初代はA40系セリカLB (リフトバック) のフロントノーズを延長し、フロントの意匠を変更したオリジナルデザインを採用。このフロントはA40系の後期型にも踏襲されました。このボディスタイルといい、M型6気筒エンジンを搭載している点では、往年の名車、トヨタ2000GTのDNAを受け継いでる格好になりますが、トヨタ2000GTはDOHCエンジンであるのに対し、セリカXXはSOHCエンジンであることから、セリカXXはスポーツ性よりもラグジュアリー志向の車であったと言えるでしょう。
 
画像は 「A60系」 と称する二代目で、ターボエンジン (M-TEU) を搭載していることと、リヤバンパーがボディと同色でないことから、前期型で1982年から1983年にかけて製造されたモデルではないかと思われます。
空力を重視する設計となったため、トヨタとしては2000GTに次ぐリトラクタブルヘッドライトを採用しました。
ボディデザインは同じ時期に登場したA60系セリカのLBと似ていますが、フロントの意匠で識別することが出来ます。A60セリカの前期型はポップアップ式ヘッドライトで、これは日本初の採用となり、後期型はリトラクタブルに変更になりましたが、ヘッドライト周辺ののデザインと開け方がXXのそれとは違いますので、これも識別可能。因みにポップアップ式ヘッドライトといえばポルシェ928が有名ですが、日本車での採用は今のところ、A60セリカが唯一の例です。
エンジンは2.0と2.8の2種を用意し、デジタルメーターやクルーズコントロール (※1) 、オーディオシステムなど、徹底した豪華な内装でセリカと差別化を図りました。また、オプション装備ながら、日本初のカーナビと言っても過言ではない、 「クルーズナビコン (※2) 」 という装備も設定されており、当時、一世を風靡したソアラと同等の装備を満載した車で人気を博しました。
 
さて、この “XX” という名前、前述のように、北米向けのモデルとして発売されたのですが、当時のアメリカは “X” を並べて使うのは、成人映画のその内容を示す度合いを意味することから (つまり、 “X” が増えれば増えるほど、その過激さが増すということ) 、北米を含めた輸出仕様については、 「XX」 のネーミングを止めて、 「スープラ」を名乗ることになりました。私も 「スープラ」 の名を最初に知ったのは、A60の北米仕様からです。
 
このXXを語る時、忘れてはならないのが、ロータスの創始者でもあり、有名なエンジニアでもあるコーリン・チャップマンの存在。当時のCMにもコーリン・チャップマンが登場したりして話題を集め、セリカXXの足回りをロータスが担当したという話もありました。しかし実際にはロータスが開発に携わってはいないようです。いすゞピアッツァやジェミニの 「ハンドリング・バイ・ロータス」 は本当にロータスが開発に携わっていますが、どうやらセリカXXにロータスが関わっていたという話はガセのようです。
 
あと、 「太陽にほえろ!」 での活躍も忘れてはいけません。
「西部警察」 が日産であったのに対し、 「太陽にほえろ!」 ではトヨタ車が多く劇中車として採用されましたが、ソアラやセリカXXなど、およそ覆面パトカーとしては使用不可能であろう2ドア車が多く登場しました。ゆくゆくは 「太陽にほえろ!」 でもそういったスペシャリティカーをベースに特注警察車を登場させるのかと思ったのですが、さすがにドラマのコンセプトが違うので、それは実現しませんでしたが、ああいう人気ドラマで劇中車として使われていたので、人気に拍車がかかったのは言うまでもありません。
 
最後にこの貴重な車を撮らせていただきまして (すいません、こっそり撮りました) 、オーナー様に対して厚く御礼申し上げます。これからもずっと長く乗り続けて下さい。
 
【※1】
クルーズコントロール、正式名称は 「クルーズコンピューター」 で、ガソリン満タン時からの走行距離、燃料消費量、目的地までの到着予定時刻などをコンピューターが算出して表示するドライブ表示システムのこと。
【※2】
クルーズナビコンは画面表示こそないものの、目的地まで方角を入力するとその方角を指示し、目的地までの距離をコンピューターが自動算出して表示するシステムのこと。
 
【参考文献】
ウィキペディア
 
 
 

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