DD51形ディーゼル機関車が牽引する貨物列車が風光明媚な渓谷の中をのんびりと走っています。
今となっては信じ難い光景なんですが、ここ、何処だと思いますか? 古くからの鉄道ファンの方なら説明するまでもありませんが、ここは京都。京都駅からさほど離れていない保津峡です。つまり、画像の貨物列車は山陰本線を走っていることになります。
今でこそ、JR嵯峨野線として電化されまして、京都の通勤路線としての性格も有している山陰本線京都口ですが、国鉄時代は非電化で、普通列車よりも優等列車の本数が多かったんですね。そして嵯峨 (現在の嵯峨嵐山) -馬堀間は画像のように、保津峡に沿って線路が敷かれていました。
平成3年にトンネルを主体とした新線に切り替えられて、旧線は観光鉄道 「嵯峨野観光鉄道」 に生まれ変わり、今もトロッコ列車が観光客を運んでいます。
画像のDD51、ナンバープレートの部分を朱色に塗った “九州仕様” 。何故か九州地区のDD51はナンバープレートの部分だけ朱色に塗っていたことからそう呼ばれていましたが、この機関車も九州からの転属組でしょうか?
【画像提供】
岩堀春夫先生
【参考文献】
日本鉄道旅行地図帳 「関西2」 (新潮社 刊)