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Channel: Club SKRAM ~もはねの小部屋~
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JNR LEGEND (636)

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「特急列車はこうでなくちゃね・・・。」

このコーナーで特急列車を取り上げる際、常々、思うことです。
21世紀の特急っていったら、威厳もプライドも全く感じられないほど、快速に毛が生やらかせた程度のホスピタリティで、一部に10両以上の長編成があるけど、大半が6両以下で、酷いと1~2両で 「特急でござい」 ってツラして走っているのがいるでしょ。停車駅もちょっと走って停車、ちょっと走って停車を繰り返し、さっきの話じゃないけど、それもまた快速並み。おまけに私鉄ばりの通勤特急まで走らせるようになっちまいました。もしかしたらこの先、通勤車両を特急に使うんじゃないかって思わせるほど (だって、キハ40みたいな国鉄時代の一般型気動車を改造して 「特急用車両です」 って自慢してる昨今ですから) 、特急と快速・普通の差が無くなりつつあります。まるで今の時代の横綱・大関と平幕の力差のように。

そこへいくと、昭和国鉄の時代は、昭和50年代に入って現在に繋がる凋落の兆しはあったにせよ、本数が多いだけで、停車駅は限られていたし、編成も一部を除いて10両以上だったし、自由席も編成中に2~3両だけだったし、勿論、食堂車は営業して、車内販売もありました。美味かろうが不味かろうが、食堂車でご飯を食べるというのが一つのステイタスでもありました。ブルートレインにしてもエル特急にしても、我々の世代は、そういう特急列車に羨望を抱いていたのです。

583系一つ取っても、12両とか13両というのが当たり前でした。
まぁ、新幹線が彼方此方で開業して、行き場を失った在来線特急が生き残るには、地域事情に密着した運転形態を取らざるを得ないのは解ります。ただ、昔日を知る者からすれば、それはあまりにも寂しすぎるということ。

「はつかり」 が気動車特急の嚆矢であるのはあまりにも有名な話ですが、その一方で583系使用列車の第一期生でもあります。その前年に、世界初の寝台・座席兼用の581系が登場して、昼は 「みどり」 として、夜になると寝台をセットして 「月光」 として、まさに八面六臂に酷使されました。ただ、581系は60Hz専用なので、東北地方では使えません。そこで、翌年の増備分からは50Hzエリアでも使えるようにした電動車が新たにラインナップに加えられて、583系となり (制御車、付随車は581系のまま) 、以降の増備は基本的に583系となります。特急列車が大増発された43.10改正から 「はつかり」 「はくつる」 「ゆうづる」 「金星」 「明星」 「つばめ」 「はと」 にこの寝台電車が投入されまして、一時代を築きました。この中でも 「はつかり」 は583系使用列車の代表格となり、表定速度は在来線特急の中でもトップクラスでした。

昭和57年11月のダイヤ改正で、 「はつかり」 は新幹線に接続する盛岡-青森間の特急に “成り下がり” ますが、それでも 「北海道連絡」 という重要な使命が残されており、485系がメインになっても583系は平成5年まで使われ続けました。

画像は、昭和53年8月に撮ったものだそうですが、最初、 「違うでしょ」 って異論を唱えようとしました。イラスト入りヘッドマークはいわゆる53.10改正からですので、それ以降に撮ったものではないかというのがその理由。でも、あらためて画像をまじまじと見ると、私の異論を撤回せざるを得なくなりました。

画像を見ると、グリーン車の連結位置が53.10改正以降と異なることが判ります。
53.10改正以前、青森運転所 (盛アオ~現在のJR東日本盛岡車両センター青森派出所) 所属の485系と583系、そして仙台運転所 (仙セン~現在のJR東日本仙台車両センター) の485系は、上野寄りの2号車にグリーン車が連結されていましたが、53.10改正以降は、中間の6号車に移されました。秋田運転区 (秋アキ~現在のJR東日本秋田車両センター) 配置の485系1000番代が編成中央の6号車にグリーン車を連結していたので、それに合わせたという説、食堂車に隣接してグリーン車を連結させようという説等、諸説ありますが、このグリーン車移設で東北特急は基本的に同一の編成となりました。
画像では、食堂車の次位にグリーン車が無く、画像奥にグリーン車が見えますので、この段階で53.10改正以前であることが判ります。もっとも、改正前にグリーン車の連結位置を変えたというなら話は別ですが、それと並行して、イラスト入りヘッドマークも改正前に取り換えた車両が存在したという点も見逃せません。

これは、このコーナーでもイラスト入りヘッドマークの583系 「ひばり」 を取り上げた時にお伝えしているので、詳細は割愛しますが、583系にしても485系にしても早期に取り替えた車両が存在し、改正前からイラスト入りヘッドマークが見られました。おそらく画像もその流れではないかと思われます。特に 「ひばり」 や 「しらさぎ」 の場合は、53.10改正で583系運用が無くなることから、イラスト入りヘッドマークはレア、稀少以外の何者でもありません。

幼少の頃はどちらかといえば、 「好きじゃ無い」 の部類に入っていた583系ですが、酷使し過ぎて寿命を縮めてしまった583系ですが、特急としての行き場を無くして近郊形に改造されてしまった583系ですが、それでも 「名車」 と形容されるのは、それだけインパクトが強かったということなんでしょうね、きっと・・。

【画像提供】
ウ様
【参考文献・引用】
キャンブックス 「583系物語」 (JTBパブリッシング社 刊)



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