2017年は地下鉄が開業して90年という節目の年。とりわけ、東京メトロ銀座線はその中心的な存在となって注目を集めています。今年だか去年だか、全車新型の1000系に置き換わり、世代交代が完了しましたが、画像は半世紀前の “世代交代” の絵面になります。
まぁ、説明する必要は無いとは思いますが、画像右側が2000形で平成まで活躍した 「昭和の銀座線の主力」 になります。そして画像左側がそれこそ銀座線の初代車両であり、日本の地下鉄車両の先駆者 (先駆車) である1000形です。1000形と2000形を並べてみると、意外にも双方似ている顔をしており、2000形が1000形から受け継いだDNAを持っていることが判ります (解ります) 。勿論、メカニズム的なものは全くの別物ですけどね。
こちらも1000形が写っていますが、画像奥には丸ノ内線の車両も佇んでいます。両画像とも、中野の車両基地で撮ったものでしょうか。
画像上の1014号車は比較的綺麗な車体ですけど、画像下の1018号車は朽ち果てが進んでいる状況で、如何にも廃車体であるのが判ります。
1000形は1968年に引退して、保存予定だった1001号車を除いて順次解体されましたが、最後まで残ったのがまさに画像の1014号車と1018号車でした。
1014号車と1018号車は小石川工場で車両冷房試験用に使われた後、1975年6月28日付けで廃車になりました。地下鉄用車両はその特殊な使用用途から、車両冷房は近年まで見送られていたのは皆さんも何処かで聞いたことがあるかと思いますが (京急や小田急、東急など私鉄の乗り入れ車両も地下鉄線内では冷房をOFFにしていた) 、しかしその一方で、年々暑さが厳しさを増す東京では、やはり冷房無しでは堪え忍べない観点から、まず、駅とトンネルの冷房化を推し進め、実際に車両そのものに冷房を取り付けたのは昭和末期のこと。営団 (→東京メトロ) の車両で最初から冷房装置を搭載して登場したのは、日比谷線用の03系と東西線用05系でした。銀座線用の01系と丸ノ内線用の02系は増備途上から冷房を取り付け、早期落成車で一時期東西線で活躍した8000系 (8012~8014編成) にも冷房が取り付けられての落成でした。蛇足ですが、東西線に一時期的に配置された8000系は、冷房準備車で投入されたみたいなことを記述した媒体がありましたけど、私の記憶が確かならば、東西線用の8000系は最初から冷房装置が取り付けられていたように記憶しています。
【画像提供】
と様
【参考文献・引用】
営団地下鉄車両写真集 (交通新聞社 刊)