Quantcast
Channel: Club SKRAM ~もはねの小部屋~
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3544

稀代の名車 「ソアラ」

$
0
0
イメージ 1

この車に憧れたアラフォー、アラフィフの方々は多いと思います。他の車にはないスタイリッシュな外装と、クラウンにも引けを取らない内装。初代が登場した時の市場における驚天動地は今も語り草になっています。彗星の如く現れたトヨタ・ソアラは瞬く間に時代の寵児ならぬ、 “時代の寵車” となったのです。
当時、日本車でメルセデスベンツのSLシリーズやBMWの6シリーズをライバルに出来る車は無く、開発コンセプトをその2車に絞った感が強いソアラは1981年に初代がリリースされました。
その前年には、事実上の 「日本初の高級パーソナルカー」 という位置づけで、日産が 「レパード」 をリリースしましたが、ソアラは後発というアドバンテージも手伝って、性能や装備面などで、レパードを大きく引き離しました。

ソアラは、購買ターゲットを若年層にも拡げて、様々なアイテムを盛り込んだモデルとなりましたが、その中には 「日本初・国産初」 は勿論のこと、 「世界初」 も含まれており、当時、若年層をターゲットにしていたマークⅡを一気に 「おじさんクルマ」 に堕としてしまったのです。
まず、エンジンは国産初の直6 2.8リッターのDOHCエンジンで、デビュー当時のソアラのイメージを決定づけるものになりました。さらに日本初のデジタルメーターやTCCS、ECT (Electric Controlled Transmission) 、TEMS (Toyota Electronic Modulated Suspension) 、エレクトロマルチビジョンといった、先進技術を惜しげもなく搭載して、上級グレードには音声警告装置 (エレクトロニクス・スピークモニター~キー閉じ込め防止、ライト消し忘れ、パーキングブレーキ戻し忘れ、半ドア、給油の残量を声でドライバーに告知) を装備しました。

1986年にフルモデルチェンジが実施されて二代目 (Z20型) が登場。画像のモデルがそれにあたります。
当然のことながら、初代よりも大きく進化し、初代がどちらかといえば直線基調のボディラインだったのに対し、2代目は曲線を基調とした滑らかなデザインになりました。5年間で30万台を売ったトヨタきっての稼ぎ頭となり、バブル景気もあって特にラグジュアリー志向の 「GT LIMITED」 が一番の売れ筋モデルになりました。

初代は2800ccと2000ccがメインでしたが (モデルチェンジ直前になって3000ccもラインナップに加わる) 、2代目で本格的に3000ccの7Mエンジンを投入。特に7M-GTEUはソアラ専用とされました。
シリーズ最上級車である 「3.0GTリミテッド」 には、世界初の電子制御式エアサスペンションを搭載し、当時、乗ってた人が 「これ以上の車は無い」 と言わしめたほどでした。 「世界初」 はそれだけでなく、ドアにも 「世界初」 を盛り込みました。それが 「イージーアクセスドア」 と言われる、ドアヒンジを4リンクにするドアで、これは世界でもソアラが初めてだったとか。まぁ、その善し悪しは数字を並べられてもよく解らないのが実状ですが、ソアラに搭載するのだから、それはそれは凄いアイテムなんだろうなっていう感じです。

ソアラが先陣を切って装備した 「エレクトロ・マルチビジョン」 は、付属のカセットROMを挿入してロードすることによって、車両情報 (TEMSや燃費などの情報を画面で表示) や空調、取説、高速道路の地図などをドライバーに伝える画期的な装備です。今だったらカーナビとかでそういった操作や情報の入手は可能ですが、ソアラの 「エレクトロ・マルチビジョン」 はまさにその先駆けとなったのです。ただ、ソアラのマルチビジョンはナビゲーション機能は無く、後にクラウン (8代目のS130系) が装備したマルチビジョンで初めてナビゲーション機能が加わりました。カセットROMではなくてCD-ROMになったのもクラウンが最初です。

さて、画像のモデルですが、2.0リッターの 「GTツインターボ」 です。
2.0の 「GTツインターボ」 には上級モデルの 「GTツインターボL」 とノーマルの 「GTツインターボ」 があり、画像のモデルはどっちかというのは判別不能でしたが、もし、内装がドノーマルであれば、ハンドルで識別が可能です。3.0GTと同タイプの4本スポークであれば 「L」 、3本スポークのハンドルなら普通の 「GTツインターボ」 になりますが、ソアラで3本スポークのハンドルは 「GTツインターボ」 だけです。また、 「GTツインターボ」 にはパワーシートやオートドライブといった充実装備はありません。

ツインターボ系に搭載される1G (1G-GTEU) は確か、スープラも同じエンジンを搭載していたように記憶しているのですが、最高出力が210馬力と、パワー的にはまあまあのスペック。その時代になると、ホットなスポーツエンジンはもう少し馬力があったので、ソアラの場合はあくまでも 「バカ走り」 をせず、 「そこそこ走ってくれればいい」 という人向けのエンジンだったように思います。

初代と2代目は3ナンバー車と5ナンバー車がありましたが、これはあくまでも搭載エンジンによるもので、ボディサイズは完全な5ナンバーサイズでした。しかし、1991年に登場した3代目 (Z30型~フェアレディZじゃありませんよ) は全車3ナンバーボディとなり、初代と2代目とでは全く異なるスタイルになりましたが、バブル景気終焉とともに、スペシャリティカーの需要は伸び悩み、2001年に発表された4代目は全く印象が薄く、印象の薄いまま2005年にレクサス・SCにバトンを渡す形で姿を消し、 「ソアラ」 の名は永遠に封印されることになります。

私たちの世代は、冒頭でもお伝えしたように、ソアラは憧れのクルマでした。当時のおじさんたちが 「いつかはクラウン」 と目標を掲げていたのと同じ感覚で、当時の若い世代は 「いつかはソアラ」 と目標を高めていました (・・・と思う) 。ただ、今と違って走りに熱中していた奴らはソアラよりもスープラ、スープラよりもスカイラインGT-Rといった具合に、それだけ選択車種が多種多彩だったのも事実です。

勝手に撮っておきながら、こんなこと言うのは無粋中の無粋なんですが、ソアラにRSワタナベ (ブラックレーシング?) のホイールはちょっと似合わないかも・・・。走り志向のカスタマイズをしているのかもしれませんね。
 



Viewing all articles
Browse latest Browse all 3544

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>