第410回放送 (1985年12月26日)
第1位:なんてたってアイドル/小泉今日子 ①
2
第2位:恋に落ちて -Fall in love- /小林明子1
第3位:空想Kiss/C-C-B3
第4位:It’s BAD/田原俊彦第5位:ガラスのPALM TREE/杉山清貴 & オメガトライブ3
第6位:仮面舞踏会/少年隊 初第7位:神様ヘルプ!/チェッカーズ2
第8位:フレンズ/レベッカ1
第9位:腕の中へ ~In Search Of Love~ /西城秀樹 初第10位:ステキな恋の忘れ方/薬師丸ひろ子1
スポットライト:荻野目洋子 「ダンシング・ヒーロー (Eat You Up) 」
激動の1985年もいよいよ終わり。1985年最後の 「ザ・ベストテン」 は新旧入り乱れての大混戦となりました。
「恋に落ちて」 の天下は3週で終わり、キョンキョンが1年余りぶりに1位を奪取しました。やはりこの時期のキョンキョンの代表曲です。
1980年代後半のジャニーズを代表する少年隊が満を持してベストテン入りを果たしました。少年隊といえば、1984年7月に 「スポットライト」 に出演していますが、その時はまだメジャーデビュー前のことで、今回のメジャーデビューまでの準備期間のようなものでした。皆さんの中ではやはりNHK 「紅白歌合戦」 における加山雄三氏の 「仮面ライダー」 事件が印象的かと思いますが、人間誰しも間違いは犯すのに、曲名を間違えただけでそれが半永久的にネタにされるなんて合点がいきませんでした。それが当時のNHKの体質であり、世間様の視線でもありました。
西城秀樹も1年ぶりにベストテン入りを果たしますが、確か、これが西城秀樹にとって最後のランクイン曲だった記憶があります。1970年代を代表するアイドルも年々後進のアイドルの台頭によって、自身の立ち位置が微妙なものになり、新たな 「西城秀樹像」 を模索していた時期でした。
「スポットライト」 は荻野目洋子。
こちらもまた、少年隊などとともに1980年代を代表するアイドルの一人ですが、私にとっては今だに 「荻野目慶子の妹」 という印象しか持っていないんですね。荻野目慶子はいつの間にかフェードアウトしちゃいましたけど、洋子の方はたまにテレビで観ることがあります。また、南野陽子、石野陽子 (→いしのようこ) と共に 「アイドル三大 “ようこ” 」 ・・・とは言われてないか。
「ダンシング・ヒーロー」 は、デビュー曲ではなく、さらに歴史を紐解けば1977年に映画 「獄門島」 に姉慶子が子役で出演し、洋子もまた回想シーンで出演をしています。これが洋子の芸能界の出発点になります。、またオーディション番組に参加してスカウトされたのが1979年。そこで小学生のアイドルグループ 「ミルク」 のメンバーとしてレコードも出しています。 「ミルク」 は1年で解散して、一旦、芸能人としての履歴は途切れるのですが、1983年にテレビアニメ 「みゆき」 の主人公の声を担当することになり、再び芸能界に。1984年には 「未来航海 -Sailing- 」 で本格的に歌手デビューを果たしています。 「ダンシング・ヒーロー」 は7枚目のシングルで、アンジー・ゴールドの 「Eat You Up (邦題:素敵なハイエナジー・ボーイ) 」 のカヴァー曲になります。
さて、その年の最後の 「ザ・ベストテン」 は、通常のランキングが発表された後に 「年間ベストテン」 をお伝えするのが恒例になっていましたが、今回もその時がやって来ました。
年間1位:悲しみにさよなら/安全地帯
年間2位:ふたりの夏物語/杉山清貴 & オメガトライブ年間3位:ミ・アモーレ/中森明菜年間4位:あの娘とスキャンダル/チェッカーズ年間5位:俺たちのロカビリーナイト/チェッカーズ年間6位:そして・・・めぐり逢い/五木ひろし年間7位:恋に落ちて -Fall in love- /小林明子年間8位:SAND BEIGE/中森明菜年間9位:Bye Bye My Love/サザンオールスターズ年間10位:天使のウィンク/松田聖子年間11位:Romanticが止まらない/C-C-B年間12位:翼の折れたエンジェル/中村あゆみ年間13位:ラッキーチャンスをもう一度/C-C-B年間14位:碧い瞳のエリス/安全地帯年間15位:シンデレラは眠れない/ALFEE年間16位:夏ざかりほの字組/Toshi & Naoko年間17位:ユー・ガッタ・チャンス/吉川晃司年間18位:雨の西麻布/とんねるず年間19位:熱視線/安全地帯年間20位:ふられ気分でROCK’N ROLL/TOM☆CAT
というわけで、安全地帯が1985年の頂点に立ちました。1984年はチェッカーズの歌が目立ちましたが、1985年もその傾向は変わらず、安全地帯とチェッカーズが 「ザ・ベストテン」 を牽引したといっても過言ではない結果になりました。
そして12月31日にはこれも恒例となっている 「レコード大賞」 が放送されました。
1985年は第27回で、総合司会は前年同様、森本毅郎氏。そして竹下景子氏は出産のために司会を辞退し、その代役で俳優の倍賞美津子氏が起用されました。二人の補佐的な役割で当時、TBSのアナウンサーだった生島ヒロシ氏が就いています。
では、各賞の発表です。
【大賞】
中森明菜 「ミ・アモーレ」【最優秀歌唱賞】石川さゆり 「波止場しぐれ」【金賞 (大賞ノミネート作品) 】神野美伽 「男船」五木ひろし 「そして・・・めぐり逢い」岩崎良美 「タッチ」河合奈保子 「デビュー」早見優 「PASSION」細川たかし 「望郷じょんから」中森明菜 「ミ・アモーレ」安全地帯 「悲しみにさよなら」チェッカーズ 「ジュリアに傷心」C-C-B 「Romanticが止まらない」【最優秀新人賞】中山美穂 「C」【新人賞 (最優秀新人賞ノミネート作品) 】本田美奈子 「Temptation (誘惑) 」小林明子 「恋に落ちて -Fall in love-」中山美穂 「C」芳本美代子 「雨のハイスクール」松本典子 「さよならと言われて」【優秀歌唱賞】柏原芳恵 「し・の・び・愛」大月みやこ 「かくれ宿」【最優秀スター賞】チェッカーズ【アルバム大賞】井上陽水 「9.5カラット」【優秀アルバム賞 (アルバム大賞ノミネート作品) 】尾崎豊 「回帰線」サザンオールスターズ 「KAMAKURA」井上陽水 「9.5カラット」LOUDNESS 「THUNDER IN THE EAST」尾崎亜美 「10番目のミュー」中森明菜 「D404ME」小泉今日子 「Today’s Girl」高中正義 「TRAUMATIC 極東探偵団」松任谷由実 「NO SIDE」チェッカーズ 「毎日!! チェッカーズ」【作曲賞】井上陽水 (いっそセレナーデ、飾りじゃないのよ涙は)【編曲賞】船山基紀 (Romanticが止まらない)【作詞賞】阿久悠 (夏ざかりほの字組)【特別賞】小林幸子【企画賞】徳間ジャパン・キャッツタウンレコード (俺ら東京さ行ぐだ)ビクター音楽産業 (組曲 「夢千代日記」 )ワーナーパイオニア・柳ジョージ (GOOD TIME)【功労賞】二葉あき子近江俊郎
中森明菜が1985年の歌謡界の最高峰に昇り詰めました。年々威厳が低くなっていく 「レコ大」 ですが、中森明菜の人気と実力からすれば、やむを得ないのかなと思いますが、アイドルが大賞に選ばれるのは、1978年のピンク・レディー (UFO) 以来で、以降、アイドルの大賞獲りが目立つようになります。
次回から1986年 (昭和61年) です。