山間を縫ってのんびりと走る飯田線の旧形国電です。
豊橋-辰野間の全長が195.7km、駅数が94、起点から終点まで普通列車で乗り潰すと6時間もかかってしまうという、究極のローカル線でありますが、沿線風景や、ローカル線らしい風情など、乗り鉄も撮り鉄も満足する路線として、今もなお、根強い人気を誇っています。そして、何よりも昭和50年代中盤までは一部の優等列車を除いて、全てが旧形車両で埋め尽くされているという、 「旧形車両のパラダイス」 として多くのファンを魅了しました。戦前の大スター、 “流電” 52系と戦後の大スター、 “元祖・湘南電車” 80系という、旧形国電の二大スターの最後のステージも飯田線だったというのは皆さんもよくご存じの事かと思います。でも、52系と80系が “共演” したことはなく、52系の引退で80系が引き継いだ格好となって、一緒に運用に就いたことはありませんが、準急 「伊那」 が80系を使用していたことから、そこでクモハ52系と顔を合わせている可能性はありますね。なお、 “合いの子流電” こと、クモハ53は飯田線が119系化される昭和58年度まで使われましたので、80系との共演は実現しています。
私、鉄道趣味をやって四十数年が経ちますが、飯田線に関しては全然興味がないんですよね。それは今も昔も変わりません。何が魅力なのか、イマイチ理解出来ないんですよ。沿線風景は勿論のこと、飯田線を走る旧形国電にも全く興味が無かったし、 「ブルートレインとエル特急こそ鉄道なり」 と子供心に信条としていた私にとっては、旧国が活躍していた飯田線や身延線、あるいは大糸線なんかは 「異国の鉄道?」 と思ったくらいですから。でも、たった一度だけ、閉館迫る佐久間レールパーク (→リニア・鉄道館) を訪れつつ、飯田線に乗ってみようかと思ったことがありました。でも佐久間レールパーク閉館後はまた興味の対象から外れてしまいました。主力の車両が213系だったり、313系だったりでは、魅力も半減ですしね。
天竜川に沿った伊那谷の美しい車窓風景も魅力だとは思うのですが、リラックマの如くだらだらと走っていることから、せっかちな旅行者には向かないかもしれませんね。私もそのクチで、里山を始めとする日本の原風景が何よりも好きな私にしてみれば、飯田線は私にはピッタリなのかもしれませんが、6時間も列車に揺られていたら、絶対に寝ちゃいます。そして、そういった美しい車窓風景を見損なっちゃうんですよね、きっと。
最近になって、鉄道模型の関水金属 (カトー) から 「飯田線シリーズ」 と銘打って、飯田線で活躍していた旧形国電をピックアップしてリリースしていますよね。画像の列車もそのターゲットになったのではないかと思いますが、何故、急に 「飯田線シリーズ」 になったんでしょうね。トミーテック (トミックス) の 「碓氷峠シリーズ」 に対抗しているのでしょうか?
そうは言いつつも、一生に一度くらいは飯田線に乗ってみようかなと少しだけ思い始めた昨今です。
【画像提供】
岩堀春夫先生
【参考文献】
ウィキペディア (飯田線、特急伊那路)