昭和国鉄の撮影名所である、東海道本線根府川橋梁を行く、EF66牽引の10000系貨物列車です。
21世紀における貨物列車のフラッグシップって何なのか、どの列車が該当するのか私には分かりませんが、昭和国鉄の時代は 「特急貨物A」 だということに異論を挟む者は無いでしょう。国鉄末期~JR黎明期はそれが進化発展した高速貨物A、いわゆる 「スーパーライナー」 がその座に君臨していたでしょうし、昭和30年代だったら 「たから」 でしょうけど、貨物もスピードを競う時代になって、いくつもの操車場を立ち寄り、目的地、そして受け取り主にいつ届くのかが全く予想がつかない輸送方式はいつの間にか時代遅れになっていました。
EF66及び、10000系貨車については、以前にも弊愚ブログでお伝えしているのでここでは割愛しますが、あらためてEF66は 「貨物列車を牽いてナンボ」 の機関車だと思います。ブルートレインも良いんですけど、 「餅は餅屋」 という言葉があるように、私的には 「EF66にブルートレインは似合わない」 と思っているクチです。そして、牽引する貨車も雑多な二軸貨車を中心とした車扱列車ではなくて、コンテナ車。さらに10000系でないとEF66のアイデンティティが無いような気もします。百歩譲ってコキ50000系かな。まぁ、国鉄末期は50000系がメインになっちゃいましたけどね。 「美人薄命」 じゃないけど、10000系は長期政権じゃなかったんですね。運用や荷物の積載、保守などで制約が生じ、その後継としてコキ50000系が製造されると、高速貨物は基本的にコキ50000が引き受けるようになり、最高速度こそ95kh/hにダウンするも、運用地域を選ばず、20フィートコンテナの積載が可能で、何よりも牽引機関車を選ばずで、たちまち勢力分布図を変えていきます。EF66+10000系というゴールデンコンビは、僅か十数年で解消することになります。レサ10000を連ねた鮮魚特急列車も生ものを扱う特殊性のため、車体の痛みが酷くなり、加えてその鮮魚輸送もトラックに切り換えられると、もはや白旗を挙げざるを得ず、民営化を待たずに姿を消しました。そのような背景から、ブルートレイン牽引が実現するのですが、う~ん、違和感たっぷりでした。
だからこそ、画像の列車こそ、EF66にとって最強の “相棒” と言えるし、 「That’s King Of Freight Train!」と世界の中心で叫べると思いますね。
【画像提供】
タ様
【参考文献・引用】
季刊 j train特別編集 「電気機関車EX」 Vol.2 (イカロス出版社 刊)
ウィキペディア (国鉄10000系貨車)