随分前に自宅をリフォームした際に、自宅にあった様々な “ガラクタ” を整理してた時のことです。物置からかつて、私がかき集めていた車のカタログが大量に出てきました。そのまま捨てるのも勿体ないと思い、しばらく放置していましたが、家族から撤去命令が出まして、神保町の古書店に行けば売れるかもしれないと、調査しに行ったら、 “やっぱり” 、二束三文以下の数字が出ることが判りました。その古書店はスポーツカーが対象だということなので、そのままちり紙交換に出すことを決意しました。しかし、そのまま処分するのは忍びないと、弊愚ブログでネタにしてから処分しようと思い立ちました。そのようなわけで、新シリーズがスタートします。
私が集めていたのは、主に1980年代後半から、1990年代前半にかけての車で、さらにトヨタ車がメインになります。たまに、日産車など他社の車も登場しますので、取り敢えずは乞うご期待ということで。
まずは、1989年に登場した4台目スターレット (P8系) です。
スターレットといえば、ヴィッツ登場前のトヨタのベーシックモデルで、さらに歴史を遡れば、 "国民車構想」 に基づいて登場したパブリカに到達します。
1973年に2代目のパブリカにスポーツモデルを設定し、それには 「パブリカ・スターレット」 という名を与えました。これが初代スターレット (P5系) になります。ボディはTE27レビン/トレノをひと回り小さくした感じになり、大人しめだったパブリカにスパルタンなイメージを追加しました。1978年にモデルチェンジされて、2代目 (P6系) になりましたが、ここから独立モデルになり、 「トヨタ・スターレット」 となるのです。以降、 「かっとび」 、 「韋駄天」 といった名キャッチコピーとともに、スターレットは若者を中心に販売台数を増やしていくことになります。
1989年、絶大な支持を得ていた3代目 (P7系) からバトンを渡す形で、P8系が登場するのですが、キャッチコピーは 「青春のスターレット」 。ロックバンド、レピッシュの 「パヤパヤ」 という曲にのせて、画像の若者がスターレットを担いでいるCMをご覧になった方もいらっしゃるのではないかと思いますが、P8系から全車エンジンがDOHC化されました (ただし、ディーゼル車はOHC) 。
先代のEP71のDNAを受け継ぐかのように、P8系もフラッグシップ (基幹) モデルはGTになります。
GTに搭載された4E (4E-FTE) エンジンは、135馬力を叩き出した、このクラスでは当時、破格のパワーを誇っていました。故に、シャシーに対してエンジン出力が上回っていたため、かなり過激なハンドリングだったと聞きます。それもマイナーチェンジ (1992年) で改善されていくのですが、 「かっとび」 のイメージは伊達ではなかったんですね。
こちらは、P8系のラインナップ。
「Gi」 というモデルは、ボディスタイルをGTに似せていますが、エンジンはNAです。
こちらは確か、CDプレーヤーが標準装備だった記憶があります。また、GTにはオプションとして、レカロシートとモモ製ステアリング (モモステ) が設定されていました。
女性向けに装備を充実させた 「キャンバストップ」 や 「ソレイユ」 などがラインナップされて、折りしも稀代の好景気に押されて、P8系スターレットはE9系カローラ/スプリンターとともに、歴代で最も多くの販売台数を記録することになります。
P8系スターレットは、1996年にモデルチェンジされましたが、スターレット自体も1999年まで生産が続けられ、ヴィッツに移行して姿を消すことになります。最終モデルとなるP5系はあまり印象がないんですよねぇ~。
そのヴィッツですら、今や影が薄くなって、存在すら気づかったりしますけど、一応はパブリカのDNAはまだ辛うじて残されています。
「かつぐつもりはないけど、この車はいいぜ」 と言いながら、若者が車をかついでいるというのは冒頭でもお伝えしましたが、一応、本物の車を担いでいるそうです。無論、エンジンや装備類は全て取っ払っての、 「張りぼて」 モデルです。さらに 「落としたら大変っ!」 ということで、人間とは別に支えも用意しての撮影だったそうです。
スターレットですら、妙なトキメキ感があったんだから、1980年代後半というのはあらゆる部分で身も心も潤っていたんでしょうね。