事業者名:ジェイアールバス関東
仕様・用途:安全運転訓練車
登録番号:とちぎ200 は ・176(自家用)
シャシーメーカー:日野自動車
初年度登録:2013年式
エンジン型式:日野A09C(AT-次坊
ボディ架装:ジェイ・バス小松
車両型式:QRG-RU1ASCA
車名:日野セレガ・ハイデッカ
撮影日:2015年8月30日(日曜日)
撮影場所:鉄道博物館
毎度毎度、旅に出ますとお世話になっているのがJRバスの夜行高速便。その卓越した高度な運転技術は業界内でも指折りとされていますが、普通の訓練だけでは普通の技術しか習得出来ないとしたJRバス関東は、2年前の6月に安全運転研修センターを開設し、それに合わせて高速路線バス運転を前提・特化した専用の訓練車を導入して話題になりました。普段はなかなか見ることが出来ない訓練車ですが、先月、鉄道博物館でJRバス東北の2台の貸切車 (E5系カラーとE6系カラー) などとともに展示されまして、これ幸いにと見に行くことにしました。通常のJRバス (東北、関東、東海、西日本、中国) カラーは、白と青のツートンカラーに、車体の真ん中にツバメのイラストをあしらった共通仕様となっており、東海と西日本はその基幹となるカラーをベースに独自でアレンジを施しています。この関東の訓練車は、デザインこそ高速路線車と同様ながら、青の部分をライトグリーンにして、営業車と識別しています。
各バス事業者とも、自前で訓練車を導入していますが、高速路線バスとしては国内初ということで、元より高速路線バス運行事業者の老舗としているプライドも手伝っているせいか、それだけJRバス関東の “やる気” “本気” が伝わってきます。
各バス事業者とも、自前で訓練車を導入していますが、高速路線バスとしては国内初ということで、元より高速路線バス運行事業者の老舗としているプライドも手伝っているせいか、それだけJRバス関東の “やる気” “本気” が伝わってきます。
既存の訓練車、あるいは営業車を使っての訓練ですと、どうしても運転技術の部分しかスキルアップが出来ませんでしたが、今回の訓練車は運転技術をデータ的に分析して、運転技術の善し悪しをデータによって決めるシステム (e-Dress) を日野自動車や東急テクノシステムなどと共同開発して、導入しています。これによって、客観的に自らの運転操作というものを再評価出来るようになりました。
展示当日、訓練車の車内までは公開されませんでしたが (他の展示車は公開された) 、さすがに訓練に特化した車両だけあって、中身は既存の営業車とは別物。運転室の上部には運転操作を記録するためのカメラが設置され (訓練生も訓練時にはアイカメラを装着する) 、アクセルの踏み加減、ブレーキの効かせ具合、シフトチェンジのタイミングなどがデータによって反映されます。アイカメラはやはり、運転時は勿論のこと、出発時や右左折時などにおける前方、後方、左右などを確認する際、その目が何処を向いているかというのを判別させるためのものになろうかと思います。車内の中央にはe-Dressのサーバーと教卓が設置されていて、後方にはレクチャールームが。荷棚は必要ないので当初から設置されておらず、その分、ヘッドクリアランスが高くなっています。室内灯は全てLEDになっていています。
車体外観に目をやると、セレガ標準装備のミリ波レーダは勿論のこと、サイドには側方距離計測センサー、アウターミラーには左右側方カメラ (これは通常のセレガにも装着されています) 、トランクルーム内には前後、左右動揺計測センサーが内蔵されています。
車体外観に目をやると、セレガ標準装備のミリ波レーダは勿論のこと、サイドには側方距離計測センサー、アウターミラーには左右側方カメラ (これは通常のセレガにも装着されています) 、トランクルーム内には前後、左右動揺計測センサーが内蔵されています。
近年、高速バスや観光バスの事故が相次いでいる中で、その危険意識や運転技術の向上など、さらに高度なものが要求されていますが、JRバス関東の訓練車と安全運転研修センターはそれに応え得るものだと思います。
【参考文献・引用】
バスラマインターナショナル No.140
年鑑バスラマ 2013→2014
BUSRAMA SPECIAL No.12 「高速バス 2013」
(いずれもぽると出版社 刊)
バスラマインターナショナル No.140
年鑑バスラマ 2013→2014
BUSRAMA SPECIAL No.12 「高速バス 2013」
(いずれもぽると出版社 刊)