東京メトロでは、中期経営計画 「東京メトロプラン2020」 をこのほどプレスリリースしましたが、この計画では、5路線に新型車両の導入が予定されています。具体的には、日比谷線用の13000系は2020年度までに、丸ノ内線用の2000系は2023年度までに導入の完了を予定しており、さらに、有楽町線、副都心線、半蔵門線にそれぞれ新型車両の導入を予定してるとのことです。
有楽町線と副都心線には、7000系の置き換え用という位置づけで、17000系という車両が2020年度から、半蔵門線には18000系という車両が2021年度からそれぞれ導入されるようで、この18000系は、8000系の置き換え用という位置づけなんでしょうね。8000系は解らなくも無いけど、有楽町線と副都心線には10000系という車両があるじゃないですか。10000系の増備は考えないのでしょうか? まぁ、半蔵門線にも08系という車両がありながら、増備に関しては中途半端丸出しでしたしね。
半蔵門線用の18000系導入がほぼほぼ決まりましたが、そうなると前述のように8000系の去就が注目されます。初代半蔵門線用車両として1981年にデビュー以来、38年もの間、半蔵門線の主力として活躍してきました。更新工事が行われて、オリジナルの姿をとどめる車両は無くなりましたが、まだ7000系があるから、 「東京メトロ最古参」 ではないけど、営団時代を知る数少ない生き証人ならぬ、 “生き証車” となりました。
半蔵門線が開業したのは1978年8月1日のこと。最初の開業区間は渋谷-青山一丁目間で、この時から東急新玉川線、田園都市線との相互直通運転が始まりました。ただ、相互直通運転といっても、1978年の開業当時は営団車両が無くて、東急8500系を使用 (借用) しての暫定開業となったのです。
営団車両の登場は、暫定開業から3年が経った1981年のこと。この時、8000系が登場したのです。
スタイルこそ、先に登場した6000系や7000系に似ていますが、前面形状が6000系や7000系よりも洗練されており、東西線で試験が繰り広げられていたボルスタレス台車を8000系で本格採用しました。また、営団初の一段下降窓やワンハンドルマスコンを採用したことでも特筆されます。
登場当時は8両編成と6両編成が存在し、非冷房ながら、いつでも冷房が取り付けられるようにしてある、冷房準備車として落成しました。6000系の4次車 (6122F~6128F) は8000系をベースにして、冷房準備工事や一段下降窓を採用したのは有名な話。
また、8000系を語る上で、外せないのは早期落成車の30両が一時期、東西線にいたということ。
弊愚ブログでも幾度かお伝えしているので、ここでは割愛しますが、一際目立つ存在であったのは確かです。
画像は二子玉川園駅 (→二子玉川) で撮影したと思われます。
まだ非冷房で、行き先方向幕にローマ字が添えられていません。8108Fは1982年の永田町-半蔵門間延伸の際に増備された車両で、当初から8両編成でした。1987年には輸送力増強を目的として、10両編成化されました。冷房改造は1988年のこと。
前述のように、8000系の後継車両として大いなる期待を集めた08系は、わずか6編成だけ製造されて終わってしまい、結果的に今もなお、半蔵門線の主力は8000系であることが裏付けられます。8000系自身も 「いつまで働かせるつもりだよっ!?」 と嘆いているに違いありませんが、インドネシアだかベトナムだか判らないけど、言葉が通じない異国の地に放り出されるくらいなら、老体に鞭打ってでも日本で活躍していた方がどれだけ幸せか。
【画像提供】
は様
【参考文献・引用】
鉄道ピクトリアル臨時増刊号 No.926 (電気車研究会社 刊)
営団地下鉄車両写真集 (交通新聞社 刊)
鉄道ファン No.698 (交友社 刊)