品川客車区 (南シナ) でしばしの眠りに就く、20系寝台急行 「銀河」 です。
この界隈に鉄道ファン羨望の一大車両基地があったことを後世に伝えるのはなかなか難しいものがありますが、品川における20系最後の晴れ舞台といったところかもしれません (もっとも、 「銀河」 の受け持ちは宮原運転所 (大ミハ~現在のJR西日本網干総合車両所宮原支所) ですけどね) 。
14系や24系が登場して、世代交代が推し進められる中、特急仕業を失った20系の行き場は夜行急行への転用でした。その第一弾になったのが 「銀河」 だったわけですが、その反響は種々雑多、悲喜交々だったと聞きます。
利用者目線で見れば、 「客車がグレードアップした」 と小躍りしたでしょうし、鉄道マニア目線で見れば、 「20系が凋落した」 と嘆いた方もいたと思います。
確か、 「つるぎ」 が24系25形化されて、余った20系を 「銀河」 に転用したと記憶していますが、確かにそれまで夜行列車のフラッグシップとして、東西南北縦横無尽に駆け巡った20系がついに急行に転用されたというのは、衝撃以外の何者でなかったのは分かる (解る) ような気がします。
「グレードアップした」 と喜ぶ方がいたということですが、それまでの 「銀河」 は10系を使用していたんですよね。ある方の証言によると、 「10系と20系はホスピタリティ的にはそんなに大差ないよ」とのことだったんですが、10系のA寝台 (オロネ10) は、20系のナロネ21に準拠しているし、B寝台 (ナハネ10、オハネ12 、ナハネ20) も同じ三段寝台だし、言われてみれば大差ないっちゃあないかもしれませんね。
私はさすがに20系時代の 「銀河」 は利用したことがありませんが、晩年はちょくちょくと利用していました。 「銀河」 が無くなったから 「ドリーム号」 を使うようになったし ( 「使わざるを得ない」 という言葉が正解かもしれないですね) 、今も 「銀河」 があれば、間違いなく 「銀河」 を使っていますよ。少なからず、需要はあるんです。
昨今、117系を改造した 「新たな長距離列車」 をJR西日本がプレスリリースしてましたけど、117系でなくてもいいから、東京-大阪間に 「ドリーム号」 に対抗しうる新たな夜行列車を模索した方が良いですよ。
ってな話をJR東日本とJR西日本に勤める友人に同時に振ってみました。そしたら、必然か偶然か、異口同音にこんな答えが返ってきました。
「東京-大阪間は夜行移動の需要もあるし、 「銀河」 のような夜行列車を設定したいんだよ。でも、 “オレンジ” がいつもこの計画を阻むんだよ・・・」
なるほどね・・。
そういえば、ブルートレインの廃止を早めたのも、 “オレンジ” の仕業だというJR関係者は少なくないし、東北・上信越新幹線との相互直通運転構想も “オレンジ” が 「冗談じゃんねぇっ!」 とばかりに、構想や計画を打ち消してるって聞きました。
「ドリーム号」 はJRグループの大事なドル箱ですけど、バスに頼らず、鉄道でも夜行移動の復権を是非、お願いしたいですね。何とか “オレンジ” を説き伏せてさ。
今度、関西旅行に行く時は、下り 「サンライズ」 を利用してみようかと思います。 「サンライズ」 の下りが最初に西日本エリアの駅に着くのは山陽本線の姫路駅ですけど、そこから上り新快速が上手い具合に接続しているんで、これはなかなか良いかもしれませんよ・・・。
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タ様
【参考文献・引用】
鉄道ファン No.688 (交友社 刊)