最近の私がちょっと興味を持っていることに、 「定点撮影」というのがあります。
何十年も前の写真で場所を特定して、現地に赴き、現在の姿を撮って比較するというもの、過去にも数例、弊愚ブログで取り上げたことがありましたが、また、人様から興味深い写真をいただきましたので、この定点撮影を今回の関西外遊で行いました。
その第一弾ですが、まずは昔の写真、いわゆる 「Before」 をご覧いただきます。
広い幹線道路に路面電車とバスが写っています。
電車はお気づきかと思いますが、阪神国道線です。一時期は3~4路線存在した阪神の併用軌道線ですが、1975年までに全廃されています。このうち、国道線は、最盛期には大阪市の野田と兵庫県の東神戸までを結び、路面電車の一路線としては日本最長を誇っていました。しかし、モータリゼーションの普及や進化に伴って、次第に路線を縮小し、特に上甲子園以西の区間は1時間に1本程度という、都市部の鉄道路線としては考えられない運転本数でした。
画像はその阪神国道線なんですが、まず、何処で撮ったものかを推理しました。
「西宮付近」 であることは判っていたのですが、阪神国道線はその路線名の通り、現在の国道2号線をひたすら走っていた路線でした。国道2号線で西宮という手がかりを基に、地図で調べてみたら、国鉄西宮駅前がそれっぽいことが判りました。画像の奥に高架線らしきものが写っていますが、あれを阪急今津線と予想したら? それから、写真中央に火の見櫓みたいな建物が見えますが、西宮駅の近くには西宮消防署があることも判りました。さらに、国鉄西宮駅前の国道には歩道橋も残存していることも判りました (この写真は、どう見ても歩道橋から撮ったものだと判別出来るでしょう) 。
というわけで、2016年に戻り、JR西宮駅に向かいました。
それが 「After」 、2016年8月現在の西宮駅前の様子です。
どうですか? 同地点ですかねぇ~?
画像左端の、これ、多分司法書士事務所か法律事務所ではないかと思うのですが、跡形もなく、面影がありません。それから、肉眼では阪急今津線の高架線も見えます。しかし、同じ角度からの撮影となると、標識で見えません。
せっかくなので、バスを入れてみました。 「Before」 のバスも阪神バスじゃないかと思われます。消防署も残存していることが判っていますが、この角度だと全然見えませんね。如何に西宮市の空が高かったのかがお判りいただけるのかと思います。