今回は 「撮りたかった」 というよりも、 「 “まともに” 撮りたかった」 という形容のしかたの方が正しいかもしれません。実際に撮ったことはあるんですが、遠巻きに、しかも走行時の写真だったもので、まともに撮れているのは1枚もありません。
日本広しといえども、このドレクメーラー・ヨーロコメット (E330H) は、はとバスにしか導入されていない超稀少なバスで、日本でも2台だけ。ドレクメーラーのバスは二階建てバスの 「メテオール」 がはとバスや東京ヤサカ観光バス、長崎自動車などに導入されているのはわりと知られた存在ではありましたが、シアターレイアウトはあまり評判が良くないという話も聞いたことがあります。この 「ヨーロコメット」 にインスパイアされて、日本でも日野自動車がシアターレイアウト式のスーパーハイデッカー、 「グランシアター」 や後継車種の 「セレガGT」 を製作したのは有名ですね。良く言えば 「インスパイアされた」 なんですけど、悪く言えば単に 「○○ッた」 ということになります。
ヨーロコメットにしても、グランシアター (セレガGT) にしても、普及しなかったのは、やはりその室内レイアウトにあるのではないかと思います。これも如何にも日本人的な視点で・・なんですが、得をするのは後方の座席に座った者で、運転席後方の最前列だと損をした気分になる。悪く言えば、 「差別的に見られてるような気がする」 となり、何にしても平等を心情とする日本人には受け入れられなかったのではないでしょうか。そうは言いつつも、はとバスでは、このヨーロコメットの後継車として、 「はとまるくん」 をデビューさせました。こちらはアステローペでお馴染みのボルボ B10Mシャシーに、東京特殊車体が製作したボディを架装させていますが、何だかんだ言っても、そういった特殊バスに目がない日本人でもあったりします。これを 「嫌よ嫌よも好きのうち」 というのです。
このヨーロコメット、はとバス引退後は、何処で活躍しているのでしょうか・・・?
(この画像はクラリオン社 刊 「クラリオンバス機器ニュース別冊情報篇 13 全国定期観光バス大集合」 より転載させていただきました)
【参考文献】
観光バスのページ
バスラマインターナショナル Vol.1 (復刻CD-ROM)
ウィキペディア