第292回放送 (1983年9月15日)
第1位:さらば・・夏/田原俊彦 ①1
第2位:ガラスの林檎/松田聖子1
第3位:Hey!Beppin/シブがき隊第4位:ボヘミアン/葛城ユキ第5位:メリーアン/ALFEE2
第6位:ためいきロ・カ・ビ・リー/近藤真彦1
第7位:CAT’S EYE/杏里 初第8位:半分少女/小泉今日子2
第9位:想い出がいっぱい/H2O1
第10位:家路/岩崎宏美 初スポットライト:THE GOOD-BYE 「気まぐれ One Way Boy」
田原俊彦が1位を獲得しますが、意外にもトシちゃんが1位を獲得するのは3月の 「ピエロ」 以来、実に半年ぶりになります。後進 (中森明菜など) の台頭によって、それとこれといったヒット曲も見当たらないことから、なかなか1位を獲得するまでには至りませんでした。それはマッチとて同様。たかだか1年2年の (デビューの) 差なのに、アイドルの世界っておっかないですね。じゃあ、後進の活躍はどうよ? という話になると、この時期では中森明菜の一人勝ちのような気がします。他のアイドルも人気があったのは確かですが、 「ザ・ベストテン」 に限って言えば、1位を取れるアイドルは明菜一人だけでした。本来であれば、たのきんを追い越さなければならない立場のシブがき隊も、歌に関してはジリ貧が続いていましたからね。タイトルだけインパクトがあっても、セールス的にはどうも・・・というのが多かったです。キョンキョンも1位を獲得する歌を連発しますが、それはもうちょい後になってから。ライバル番組である 「ザ・トップテン」 はどうだったんでしょうね? ただ、あの番組のランキングに関しては視聴率確保のために、 “独断と偏見” 的なランキングにしていると当初は噂がありました。
「メリーアン」 が着実にランキングを上げてきています。
この当時の 「メリーアン」 で印象深いのが、新宿の高層ビルの屋上で歌った時。間奏で、新宿の夜景が映し出されたのですが、あれと 「メリーアン」 の間奏がもの凄くマッチしていたんですね。それで一気に 「この歌は良い歌だ」 という印象を持ちました。因みにこの当初、桜井さんを高見沢さんだと思っていました。というのも、 「メリーアン」 の作詞・作曲を担当したのは高見沢さんですが、勝手なイメージとして、そのバンドのボーカルを務める人が歌の作詞や作曲を担当するものと思っていたんですね。この勝手な定義に 「メリーアン」 を当てはめると、 「 “メリーアン” のボーカル=作詞作曲=高見沢」 という図式が成り立ちます。だから、桜井さんが高見沢さんだと思い込んでいた時期がありました。ただ、この勝手な定義でなくても、結構、桜井さんと高見沢さんを混同する人が多いのも事実で、声だけ聞くと (特にバラード系) 、本当は桜井さんがボーカルなのに、 「今度の新曲の高見沢のボーカルは凄い」 と評されたことも一度や二度ではありません。
杏里の 「CAT’S EYE」 が7位で初登場となります。
「CAT’S EYE」 、直訳してもしなくても 「ネコの目」 となりますが、当時中学生だった私は 「 “EYE OF THE CAT” じゃないの?」 と何度もツイートしました。当時、大好きだった 「EYE OF THE TIGER」 に準えたのでしょうね。でも、 「EYE OF THE CAT」 じゃあ、売れなかったでしょうね。格好良い響きではあるけど。
もう1曲の初登場は岩崎宏美。
あの 「聖母たちのララバイ」 以来のベストテン入りとなりますが、確か、この 「家路」 という歌も 「火曜サスペンス劇場」 の挿入歌じゃなかったかな?
そして 「スポットライト」 は、THE GOOD-BYE。
聞き慣れないバンド名ですが、何を隠そう、あの野村義男が率いていたバンドで、たのきんトリオとしては一番後発にデビューすることとなります。ただ、たのきんが世に出る前の 「ジャニーズ少年団」 時代に、特撮ものの主題歌を担当しており、厳密に言えば、これがヨッちゃんのデビュー曲になりましょうか。
当初は、ヨッちゃんはソロでデビューする予定で、そのバックバンドとして組成されたのが始まり。様々なバンド名を経て、 「THE GOOD-BYE」 として正式にデビューしました。
この回では奇跡的にたのきん全員が出演することになりますが (確か) 、マッチが 「ヨッちゃんの出演は今回が最初で最後になる」 ということを口走ります。ただ、その予言は見事なまでに当たってしまい、ヒット曲にも恵まれず (ただ、CMタイアップ曲は数曲あった) 、1990年に活動休止となるのですが、7年持ったんだ・・・。因みに前述の 「トップテン」 では、この 「気まぐれOne Way Boy」 を始めとして、数曲がランクインされているので、この辺りからも両番組のカラーの違いが見え隠れしているようにも見受けられます。
ヨッちゃんは、たのきんの中では一番アイドル性に欠けるとまで言われましたが、彼の場合は何に置いてもギター。そのテクニックは芸能界でも屈指で、 「THE GOOD-BYE」 の活動以外でも、様々なアーティストのサポートメンバーとして引っ張りだこ。その腕前が評価されている証しになります。
「THE GOOD-BYE」 はその後、2003年に再び活動を始めるのですが、メンバーの一人だった加賀八郎氏 (はっつぁん) が2010年に骨髄腫で逝去してしまいます。その悲しみを乗り越えて、現在も 「THE GOOD-BYE」 は活動を継続しています。